プラトン
著作
I 初期
ΑΠΟΛΟΓΙΑ ΣΩΚΡΑΤΟΥΣ(Apologia Socratis)ソクラテスの弁明(『ソクラテスの弁明 クリトン』久保勉訳、岩波文庫、1964)
ソクラテス自身による弁論。ΚΡΙΤΩΝ(Crito)クリトン(行動はいかにあるべきかということについて)(『ソクラテスの弁明・クリトン』三嶋輝夫・田中享英訳、講談社学術文庫、1998)
獄中のソクラテスと友人のクリトンとの対話。ΧΑΡΜΙΔΗΣ(Charmides)カルミデス(克己節制について)プラトン全集7岩波書店、
有名な「汝自身を知れ」についての対話も。論理的な議論の展開。ここからプラトンを読み始めてもよい。ΛΑΧΗΣ(Laches)ラケス(勇気について)講談社学術文庫、1997
ΕΥΘΥΦΡΩΝ(Euthyphro)エウチュプロン(敬虔について)『ソクラテスの弁明(エウチュプロン/クリトン)』 山本光雄訳、角川文庫、1989
ΙΩΝ(Io)イオン(イリアスについて)プラトン全集10
ΙΠΠΙΑΣ(Hippias Minor)ヒッピアス大(プラトン全集10
ΙΠΠΙΑΣ(Hippias Major)ヒッピアス小(美について)プラトン全集10
ソクラテスのパラドックスΠΡΩΤΑΓΟΡΑΣ(Protagoras)プロタゴラス(ソフィストたち)岩波文庫、1988
ソフィストとソクラテスとの対話。どっちがソフィスト? どっちがよりヤな奴?ΓΟΡΓΙΑΣ(Gorgias)ゴルギアス(弁論術について)岩波文庫、1967
『国家』のまえに読むべし。哲学と弁論術の対決ΛΥΣΙΣ(Lysis)リュシス(友愛について)『世界の名著6 プラトン』
ΕΥΘΥΔΗΜΟΣ(Euthydemus)エウチュデモス(争論者)プラトン全集8
ΜΕΝΕΞΕΝΟΣ(Menexenus)メネクセノス(戦死者のための追悼演説)『世界の名著6 プラトン』
ΜΕΝΩΝ(Meno)メノン(徳について)藤沢令夫訳、岩波文庫、1994
ここで議論される徳はイデアと同じものであるとも読める。想起説がここで導入される。中期へ。クレイトポン『世界の名著6 プラトン』偽作っぽい
II 中期
ΦΑΙΔΩΝ(Phaedo)パイドン(魂について)岩田靖夫訳、岩波文庫、1998
魂の不死説からイデア論が仮説として導入される。哲学は死の修練〔meletē thanatou〕である。ΠΟΛΙΤΕΙΑ(Respublica)国家(正義について)藤沢令夫、岩波文庫(上・下)、1979
イデアの中のイデア、善について。分有から類似へ。最も重要な著作。ΣΓΜΠΟΣΙΟΝ(Symposium)饗宴(愛について)久保勉訳、岩波文庫、1965
美そのものとは何か。ゲイたちの饗宴。ΚΡΑΤΥΛΟΣ(Cratylus)クラチュロス(名前の正しさについて)プラトン全集2
最初の言語哲学。名onoma。ΦΑΙΔΡΟΣ(Phaedrus)パイドロス(美について)藤沢令夫訳、岩波文庫、1967
愛知についてのプラトンの考えが感動的に語られる。デリダが「パルマコン」の問題を読み込んでもいる。ΠΑΡΜΕΝΙΔΗΣ(Parmenides)パルメニデス(イデアについて)プラトン全集4、岩波書店
イデア論批判。第三人間論。一については何事も語りえない。新プラトン哲学の教典。どんな事例において?ΘΕΑΙΘΗΤΟΣ(Teaetetus)テアイテトス(知識について)田中美知太郎訳、岩波文庫、1966
知覚は知識ではない。真理・知識、そして認識論に関するもっとも重要なプラトンの著作。
III 後期
ΤΙΜΑΙΟΣ(Timaeus)ティマイオス(自然について)プラトン全集12
プラトン独自の宇宙論。デミウルゴスとコーラ。最善の世界。新プラトン哲学の教典となった。ΚΡΙΤΙΑΣ(Critias)クリティアス(アトランティスの物語)『世界の名著7 プラトン』
アトランティス伝説が語られる。ついでに『百億の夜と千億の昼』も読もう。ΣΟΦΙΣΤΗΣ(Sophista)ソピステス(〈あるもの〉(有)について)プラトン全集3
存在についての議論。ハイデガーによって重視された。いつ? どこに?ΠΟΛΙΤΙΚΟΣ(Politicus)ポリティコス(王者の統治について)プラトン全集3
誰が?ΦΙΛΗΒΟΣ(Philebus)ピレボス(快楽について)プラトン全集4
善き生、幸福における快と知。どれぐらい?ΝΟΜΟΙ(Leges)法律(立法について)岩波文庫(上・下)、1993
最後の著作で、未完の草稿に終わったとも伝えられるEpinomisエピノミス(法律後篇)(哲学者)プラトン全集14
第七書簡(『プラトン書簡集―哲学者から政治家へ』山本光雄訳、角川文庫、1990)
全集など
Platonis Opera 1-5, recognovit brevique adnotatione critica instruxit Ioannes Burnet (Scriptorum classicorum bibliotheca Oxoniensis), Oxford, 1900-1907
長らくプラトン全集の決定的権威として君臨してきた版。プラトン研究の伝統の長いオックスフォードから出版されている。Opera : Volume I: Euthyphro, Apologia Socratis, Crito, Phaedo, Cratylus, Sophista, Politicus, Theaetetus (Oxford Classical Texts) W. S. M. Nicoll, D. B. Robinson, J. C. G. Strachan, Oxford University Press, 1995
オックスフォードクラシカルテキストとしてぼちぼち出ていたプラトンの新しい版がこうしてまとまって新全集となりつつある。なんせ百年ぶりの改訂で、最新のものなので、今後はこちらが参照されることになるでしょう。まだ一巻しか出ていないけど。
参考文献
R.S. ブラック『プラトン入門』岩波文庫、1992
斎藤忍随『プラトン』講談社学術文庫、
斎藤忍随『プラトン 』岩波新書、1972
ジャン・ブラン『プラトン』クセジュ
『プラトン』清水書院
竹田青嗣『プラトン入門』ちくま新書、1999年
藤沢令夫『プラトンの哲学』、岩波新書、1998.
古東哲明『現代思想としてのギリシア哲学』ここを見よ。
神崎繁『プラトンと反遠近法』
『交易する人間』(コーラ)
中村雄二郎『精神のフーガ』(コーラ)
納富信留『ソフィストと哲学者の間―プラトン『ソフィスト』を読む』名古屋大学出版会、2002
神崎繁『プラトンと反遠近法』新書館、1999
『プラトンの読書に役立つ数学的知識の解説』
スミュルナのテオン, Των κατα το μαθηματικον χρησιμων ειs την του Πλατωνοs αναγνωσιν (βιβλια). (E.Hiller,"Theonis Smyrnaci Philosophi Platonici Expositio...", Leipzig, 1878)(J.Dupuis, Paris,1892)