Merleau-Ponty
メルロ=ポンティ

ああ、なんでメルロ=ポンティのページなんて作っているんだろうか、ほんとにおそれおおいことです。でも、さらに恐れ多いことを言わせてもらうと、後期のメルロ=ポンティは現象学の先端的な問題をとてもよく分かっていたのではないかという気がします。『見えるものと見えないもの』はメモ書きみたいなもので、そこんところに彼の体系的な思考が作られているのか私には分かりませんが、未出版の講義録なんかを読めば、かなり考えていたことが分かるそうです。その方面まで捉えた研究書は日本では少ないみたいですが……


著作

『行動の構造』(1942)

『知覚の現象学』(1945)

『シーニュ』竹内芳郎[ほか]訳、東京、みすず書房、

『見えるものと見えないもの』滝浦静雄・木田元訳、東京、みすず書房、1989

『世界の散文』

M. メルロ・ポンティ『意識と言語の獲得 ソルボンヌ講義』(1993/06) みすず書房


参考文献

 ・入門書・概説書

船木 亨『メルロ=ポンティ入門』 ちくま新書 (238) (2000/03) 筑摩書房

熊野 純彦『メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか?』 シリーズ・哲学のエッセンス(2005/09) 日本放送出版協会

村上 隆夫『メルロ・ポンティ』Century Books―人と思想(1992/06) 清水書院

木田 元『メルロ=ポンティの思想』(1984/11) 岩波書店

鷲田 清一『メルロ=ポンティ 可逆性』現代思想の冒険者たちSelect (2003/07) 講談社


・研究書

L.スパーリング『メルローポンティの哲学と現代社会』丸山敦子訳、御茶の水書房 , 1981-1982.

ベルナール スィシェル『メルロ=ポンティあるいは哲学の身体』大崎博訳(2003/03) サイエンティスト社

クワント・レミ『メルロー=ポンティの現象学的哲学』

河野哲也『メルロ=ポンティの意味論』創文社、2000
→ あー期待した題名だったのに……。この本で取り扱う「意味」とは現象学のそれではない一般的な意味。つまり、メルロ=ポンティ初期の議論が中心。

森脇善明『メルロ=ポンティ哲学研究 知覚の現象学から肉の存在論へ 』2000
→ 近年日本で出された研究書のなかでは最も浩瀚なもの。

末次 弘『表現としての身体 メルロ=ポンティ哲学研究』(1999/08) 春秋社

金田 耕一『メルロ=ポンティの政治哲学 政治の現象学』政治思想研究叢書(1996/11) 早稲田大学出版部

実川 敏夫『メルロ=ポンティ 超越の根源相』(2000/12) 創文社
→ 今までのメルロ=ポンティ研究は誤解の塊だ! とひたすら怒りまくっている本。威勢はいいけれど、じゃああなたの意味は何なの、というところがなんだか見えてこない。ちょっとよむきが失せるなあ……

加国 尚志『自然の現象学 メルロ=ポンティと自然の哲学』 (2002/02) 晃洋書房


・そのほか

星 敏雄『意味と身体 ハイデッガー、フッサール、そしてメルロ=ポンティ』 (1996/06) 弘文堂

水野和久『現象学の射程 : フッサールとメルロ・ポンティ』勁草書房、1992

竹原 弘『意味の現象学―フッサールからメルロ=ポンティまで』Minerva21世紀ライブラリー (1994/05) ミネルヴァ書房

屋良 朝彦 『メルロ=ポンティとレヴィナス 他者への覚醒』(2004/01) 東信堂

渡辺二郎[ほか]『現象学 : フッサールからメルロポンティへ』情況編集委員会編、情況出版 , 1977


・論文

HIROSE Koji, Problematique de l'institution dans la derniere philosophie de Maurice Merleau-Ponty, Lille-these 1993 (microfiche).、筑波大学『言語文化論集』紀要別冊第二号、2004

HIROSE Koji, << L'institution de l'oeuvre chez Merleau-Ponty>>, in Merleau-Ponty, Le philosophe et son langage, Recherches sur la philosophie et le langage 15, Grenoble (diffusion Vrin), 1993年、pp. 153-167.

広瀬浩司「制度・出来事・構造 ーー メルロ=ポンティ制度化概念の射程」, 東京大学教養学部『教養学科紀要』26号, 1994年、59頁-80頁

広瀬浩司「まなざしの到来と自然のシンボリズム−−制度の現象学と肉の存在論」、『メルロ=ポンティ研究』創刊号(メルロ=ポンティサークル)、48頁ー67頁、1995年

HIROSE Koji, << Les phenomenes d'institution -- Le point nodal de la philosophie de Merleau-Ponty >>, Etudes de langue et litterature française, no 68, pp. 182-195, 1996年

廣瀬、浩司「舟なき航跡としての生 : メルロ=ポンティにおける生命科学」 『言語文化論集』筑波大学現代語・現代文化学系. 筑波大学現代語・現代文化学系. 45号, 1997年

広瀬浩司 「自然と制度」、学会「日本メルロ=ポンティサークル」『メルロ=ポンティ研究』第4号、1998年9月、35-48頁

HIROSE koji, << Merleau-Ponty et la structure charnelle de l'histoire -- une esquisse de l'ontologie indirecte de l'institution >>, 筑波大学『言語文化論集』51号、1999年8月、1-19頁

HIROSE koji, << Merleau-Ponty aux limites de la modernite -- La situation actuelle des etudes sur Merleau-Ponty au Japon >>, in Merleau-Ponty, L'heritage contemporain, Chiasmi international1, Publication trilingue autour de la pensee de Merleau-Ponty, Vrin/Mimesis/University of Memphis, 1999

広瀬浩司「身体の根源的な制度化 : メルロ=ポンティの存在論的身体論」、『言語文化論集』筑波大学現代語・現代文化学系. 筑波大学現代語・現代文化学系. 53号, 2000年3月27日, p1-1

広瀬浩司「幻影の身体と道具の生成──メルロ=ポンティ幻影肢論の射程」筑波大学『言語文化論集』56号、2001年3月、単著。

広瀬浩司「後期メルロ=ポンティと精神分析」『フランス哲学思想研究』(日仏哲学会)2002年第7号、p. 40-58.


リンク

日本メルロ=ポンティサークル

フランス現代思想と現象学


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